インタビュー:金谷武明さん(グーグル 合同会社 サーチ クオリティ チーム シニア サーチ エヴァンジェリスト)

今回はグーグル 合同会社 サーチ クオリティ チーム シニア サーチ エヴァンジェリストの金谷 武明さんに取材をしてきました。金谷さんは Google で検索の担当者として活動されています。それでは早速質問に移りたいと思います。

現在のお仕事に就くまでの経緯を教えてください。

ロックスターになりたいという夢があって、高校時代には漠然と将来はアーティストとして生きていきたいなぁと思っていました。とは言え、アーティストとして独り立ちするのは難しかったので、大学生の時に周りと同じように就職活動をしたのですが、就活には二回失敗しました。その後、地元の会社に入ったんですけど、やっぱり自分とは合っていないと感じて三ヶ月で辞めました。当時は新卒で就職するのが一般的だったので、仕事を辞めたものの、次の就職先を探すのは大変でした。色々な仕事を探す中で、法学部出身というバックグラウンドを活かせそうな、特許事務の仕事に就きました。特許事務所では7年間働きましたが、仕事は事務的なことばかりでしたね。

特許事務所でのお仕事が結構長かったのですね。

そうですね。特許事務所で仕事しながら、当時活動していたバンドのホームページを作ったりしていました。バンド活動はずっと続けていて、ホームページも更新したりしていたので、そのおかげでかなりインターネットには強くなりました。でも、だからと言ってクリエイターとかになろうとは思っていなくて、30歳くらいまでずっと音楽で生きていこうと思ってたんですよね。でも、30歳になってどうやら音楽で生きていくのは難しいと気づきました。遅いですよね(笑)。同時期に、ようやく世の中というものに興味が湧いてきて、もっと世の中のこと知りたいと思って、改めて仕事を探し始めました。クリエイティブ関連の仕事がしたいと思ったけど、全く経験がなかったので、まずは一旦、クリエイティブ部門のある会社の特許の仕事に転職し、社内異動でクリエイティブ部門に行こうと考え、ゲーム会社の特許事務の仕事に就きました。それから1年半後にウェブの部署に移動して本格的にウェブの人生がスタートしました。

やっとウェブの仕事に携わるようになったんですね。

ウェブの部署では3年ほど働いたんですが、短い期間ですが色々な経験をすることが出来ました。非常にやりがいもあったんですが、自分が関わっていたサイトが閉じてしまったり、ゲーム会社のウェブサイトよりも、もっと最先端のインターネットに関われる場所で働きたいと思ってグーグルを受けました。グーグルでは広告関連の仕事を2年半ほどやっていたんですが、自分がやりたいのはもっと最先端の技術に関わることだと思って、今の検索の部署に志願して、配属されました。そして今に至ります。

そもそもインターネットに興味を持った理由はなんですか?

僕がインターネットに興味を持ったのは 1995 年なんですが、世界中に向けて情報を公開することができる、ということに衝撃を受けたのが理由ですね。当時僕はバンドをやっていたのですが、ネットに自分の曲を公開したら、ミック・ジャガー(The Rolling Stones のボーカリスト)が見つけて聴いてくれる可能性があるんですよ。その事実に興奮しましたね。実際には残念ながらミック・ジャガーには見つけてもらえなかったようですが、ピコ太郎さんみたいに一夜にして世界的なスターになる、というケースは世界中で沢山あると思います。その可能性を感じたことがインターネットに興味を持ったきっかけです。

音楽はまだやってますか?

今はもうやっていません。
やり始めるとそっちがメインになって人生がおかしくなってしまうのがわかっているので。でも、みんなにも音楽はおすすめしたいですね、特に作曲。作曲から学べることは色々あるんです。例えば、明るい音程だったら明るい曲になるわけじゃないし、悲しい音程だからと言って悲しい曲になるわけじゃない。むしろ明るいメロディに悲しい歌詞を載せることで醸し出される切なさ、とかもあるので表現の幅が広がりますよね。他にもコードや転調、構成など作曲は工夫のしどころが沢山あるんですよ。機会あれば作曲講座やりたいくらいです。代表曲もないですが(笑)

今後やってみたいことは何かありますか?

インターネットに恩返しがしたいですね。まともに就職もできなかった僕はインターネットが出てきてくれなければ今のようなやりがいを感じる職に就けていなかったと思うので、とても感謝しています。その一方でインターネットを取り巻く状況は色々な問題があります。インターネットを使って世の中をもっとよく出来ると思いますので、恩返しとして、もっともっとインターネットで世の中がハッピーになるようにしていきたいと思っています。

影響を受けた言葉や座右の銘はありますか?

影響を受けた言葉は父親の「大器晩成」という言葉ですね。色々迷っていた時期だった20代の頃に、この言葉に救われました。自分のピークはまだこれから来るって(笑)。座右の銘は「Never Give Up」です。人は諦めなければ大抵のことはできると思っています。

最後に、中高生へのメッセージをお願いします!

色々お伝えしたいことはありますが、ひとつだけお伝えするとすると、個性、自分らしさというものを大切にして欲しいな、ということですね。スキルとかそういうのは後からでも身につくんです。でも独自の視点や好奇心からくる自分らしさというのは簡単に得られるものではないので。その自分らしさを追求する上でどのような情報をインプットするかはとても大切です。他の人のもっともらしい考えに影響されず、そして自分独自の世界を深める。例えば Twitter とかでいえばみんながフォローしてるから、とかフォロワー数が多いから、というだけの理由でフォローしてる人がいたら全部アンフォローしてもいいと思いますね。気づかぬうちに思考が影響を受けてしまい、みんなと思考が一緒になってしまいがちなので。

まとめ

今回の取材を通して僕が感じたのは、何かをしたいと思ってやっていたら自ずと職や手段が見えてくるということです。質問には書いていませんが、金谷さんが最初にグーグルに入りたいと思った頃は応募資格は7年のキャリアを積まないと入れなかったそうです。でも、金谷さんがゲーム会社でウェブの仕事について3年目の時に、タイミング良く、それまでの7年から3年のキャリアでも入れるようになったんです。金谷さんはこれをタイミングが良かったと言っていましたが、僕はこれは金谷さんが最先端の技術に関わりたいと思うことによって起きた必然だと思っています。だから、まず自分が何をしたいのかを明確に決める。そしたらチャンスなんてそこら中に沢山出てくると思いました。あとは、金谷さんのお父さんが言っていた「大器晩成」のように、早くに結果を出さなくてもいい。少しずつ成長して良いものを作り出すこともできるから、何事も焦らずにいこうと思いました。
金谷さん、今回の取材、ありがとうございました!

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